「……」

 もう何度か訪れた事のある上司の家はやはり今日も食料がなかった。
 任務開けという事もあるのだろうが冷蔵庫の中には水しかなく、恐る恐る開けて見たシンクの上の棚には───。

「……ジャック」
「バランス栄養食だ」
「ジャック」
「賞味期限もバッチリだ」

 そういう問題じゃない。
 が、めずらしく服を着て黙って座ってさえいればそれなりに見えなくもない上司の姿に。

「チェイス?」

 猫である時の名残のような金色の短い髪に鼻先を押しつけ額に口付ける。
 
「今目の前にあるもので我慢します」
「───ッ」

 いただきます。
 と、この家で一番おいしいものをチェイスは喰べることにした。



2008.01.14
にゃんこだいすきなわんこはおおかみだったとかいってみる。
つか家寄る前に買って来いよ飯というお話。

C:黄色い箱


・top
・novel
・home