喰われる。
という気分に陥ったのは随分久しぶりだった。
行為自体も久しぶりだが、お互い裸で今さら恥ずかしいと思うこともなくなったが(というか最初からなかったかもしれないが)気がついたら背中にはさらりとしたシーツの感触。
腹の上にはあたたかい───。
「……なるほど」
淡々と。
まるで現場で証拠を見つけた時のような声音で年上の男が呟く。
どこか満足そうに。
「───何がです?」
見下ろす視線は些細な変化も見逃さないというようなのに、引き攣れた皮膚を辿る指先はやさしい。
きれいに切りそろえられた爪の感触や縋るような指の動きは憶えていてもこうやって触れられる事は稀だ。
確かめるように。
慈しむように。
煽るように。
ただ触れる指先の熱に何故か途方に暮れるような気分になる。
落ち着かない。
誘われている。と思うにはその動きは無邪気過ぎて。
「皆がこれを気にするわけがわかったような気がする……」
「……」
他意のない、あるいは他愛のない呟きは彼の本心だったのであろうが。
何度も。
腹の上を辿る指先を掴んで引き倒しのしかかる。
「フラック」
互いが互いだけを相手にするわけではなかったが。
「あんたが誰とどこで何をしようといいですけどね、」
「───ッ」
「今目の前にいるのは俺ですよ」
噛みついた傷跡からうっすらと滲む朱に舌を這わせれば。
「フラック!」
咎めるような声音すらどこか甘かった。
2008.01.15
わんこには噛み癖があるという……。
てかドンちゃんのお腹に傷跡ぐらい残ってるよねと思ったS3。
C:躾は大事だぜマック!
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