小ネタsss(気持ちホワイトデー?)


 ホワイトデーとは。
 バレンタインデーにプレゼントをくれた相手にお返しをする日である。
 勿論三倍返し。

 と、いつものようにどこか偉そうに宣った主任科学者の前で、ウェスはそれはほぼ一ヶ月前に無理矢理押しつけられそうになった中身の危険なアレのことだろうかと考えるふりをして沈黙を守る。
 政府関係者やスポンサー、対外的な交渉は嫌いではないが、目の前の相手に自分の詭弁など無意味だ。

 何せ人の話を聞いていない。
 
「デビッド」
「ん?」

 蒼い目をキラキラと輝かせ───といえば聞こえはいいがそこには人の悪い笑みが浮かんでいる───デスクの向こうでこちらを見上げる男の顔を見つめつつ、ウェスはスーツのポケットに手を入れる。

「手を」

 そして自分はこの人に勝てない。 

「……おい」
「お返しです」

 まあ、勝つ気もないが。

「おいおい───ハロウィンはまだだぞウェス飴玉一つで誤摩化す気か!」
「まさか」
「───ッ」

 休憩スペースを通りがかった時に今日がその日だということを思い出し、ちょうどそこにあった飴玉一つを手渡すと、案の定、怒って立ち上がったデビッドの襟を掴んで引き寄せ、そのまま口付ける。

「もう一つありますよ」
「……」

 もごもごと口を動かしてイスにへたり込む男に、唇の端だけあげて笑うと、ギッと睨みつけられたが、その視線はいつもより甘い。
 まだ舌の上に残る人工的な甘味と同じくらいに。
 あるいはそれを押しつけた相手の舌と同じくらいに。
 
「それともまだ足りませんか?」

 それに対する答えは噛み砕かれた飴玉と噛みつくようなキスだった。


2009.03.14
胃薬!胃薬持ってきて!!
とかなんとかええっとあれまた着地失敗しましたが、ともあれ、VDネタ書いたんだから一応WDネタも書いておこーかという軽い気持ちがアダに……(まて)


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