『嗚呼畜生』葉佩編
「こーちゃんもあそびたくなったら言ってね」
って言ったらものすごい目で睨まれた。
いつもならそこで罵倒の一つや二つや三つ、拳か足で飛んでくるんだけど。
さすがに今そんな余裕はないらしく。
というかこの状況であったらさすがに嫌だ。
俺が今までいたところならともかく、日本の、しかも高校生が、というかぶっちゃけ甲太郎が他人に抜かれるのに慣れてたらすごい凹む。
……まあこの様子だとそれは有り得ないっぽいけど。
「こーちゃん、気持ちいい?」
「ッ!!」
わざと耳の近くで言ってみる。というかまー煽ってみる。
童貞かどうかはわからないけど、普通、同性とこんなことはしないだろうから、単純に、もう引き返せないところまで追い上げないとこの後が辛い。
というか俺がたぶん辛い。
ここまでやってこーちゃんだけイッて終わったら俺の今までの涙ぐましい努力(人畜無害の駄犬)が水の泡だ。
「こーちゃん?」
うわーうわー耳真っ赤!顔も真っ赤!ついでに大きくなった!
ああこーちゃんも普通の男のなんだなー。と思って、何かこう、愛おしくなって(いやもう最初っから好きだったけどいまでも勿論大好きだけど)涙の滲んだ目尻に口付ければ、堪えきれなかった吐息が漏れて、それでもこのまま溺れるのを耐えるように首を振る。
嗚呼可愛いなぁ。
なんでこんなに可愛いのかなぁ。
罪悪感なんてだいぶ昔に捨てたけど、俺今すごい悪い大人な感じ?(二十歳過ぎてますからこれでも)
「……無理しないで」
宥めるように、やわらかい髪に鼻を押しつけると、かすかに汗の匂いといつもの香りがして、堪らなくなる。
欲しい。
もう待てない。
「……いっちゃえ、」
甲太郎。
「───ッ!!」
甘い毒を耳の中に落とせば、慣れてない甲太郎は簡単に堕ちた。
力の抜けた身体と荒い息でどこか呆然としてる甲太郎の顎を濡れたままの手で掴んで後ろからキスをして。
「じゃ、今度は俺の番」
半分以上意識を飛ばしてる甲太郎ににっこり笑って、押し倒す。
「一緒にいこう」
───さいごまで。
2006.04.03
皆主です(言いたいことはそれだけか)
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