突発『吸血鬼』ネタ


 人間はただの餌。
 己が生きる為の───。

「九龍」

 と皆守が震える声で言う。
 いや、本人は意識すらしていなかったかもしれないが。
 その声の弱さに、葉佩は微笑む。

「甲太郎」
「……来るな」
「甲太郎」
「───来るなっ!」

 細く鋭い悲鳴が皆守の口から漏れる。
 両腕で頭を覆い、首を振る。緩く。
 信じられないというように。

 だから。
 葉佩は笑う。
 安心させるように。
 大丈夫だというように。

 たとえ。
 何があっても自分たちにかわりはないのだと───。

 目の前には、赤。 
 命の源。
 生きる為に必要な、犠牲。

「甲太郎」
「やめ……」

 手をのばし、触れる。
 ゆっくりと、拒絶するように自らを抱きしめる腕を解き。

「甲太郎」

 呼ぶ。
 優しく。
 
「甲太郎」
「く、ろう……」

 震える身体を抱きしめ、そっと囁く。
 愛おしげに。
 その声に、皆守がゆっくりと、諦めたように目を瞑り───。

「もういいんだ、甲太郎」

 その首筋に牙を突き立てた。



2006.08.29
アロマが吸血鬼Ver.
天香でー墓守でー吸血鬼ー(どんだけ詰め込むか貴様)今の今まで我慢してきたのにトレハンの所為で!トレハンが無駄に挑発しやがったのですよ!(まあ確かに死にかけておりましたがアロマ)

【clap】

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