「……」

 ぼんやりとした視界に映った天井に、ライドウはここが一瞬どこかわからなくなり、静かに瞬く。
 僅かなタイムラグの後、ここが事務所で自分はソファに寝ている事に気づき。

「……ライドウ、くん?」

 躊躇うような、めずらしく素直に後悔を滲ませた声と同時に眼前に現れた、男の顔を見て、自分が何故、事務所のソファに寝かされているのかも、思い出す。
 熱と痛みとそれ以上の───。

「おーい、」
「……」
 
 普段の、どこかおどけた調子で自分の容態を気にする男の砕けた口調に、ああ、この男もそれなりに人並みの感情を持っているんだな。と、まだ溶けたままの思考で認識しながら、無意識にのびた手が男の顔に触れる。

「───これ、」
「……ああ、これ?」

 指でたどる、幾筋もの薄く細い爪痕の理由を、掠れて力の無い声で問えば、男は世にも情けない貌で苦笑する。 

「名誉の負傷」



2006.03.14
黒猫様が引っ掻きました(笑)
「うちのこになにすんねん!キシャー!!」的に( ´ ▽` )
……十四代目受最大の敵は黒猫様です。黒猫様の目が光ってる間は無理だと思うんですが。色々。ええ。色々。……こんな感じですが、十四代目受。

どうでしょう?(笑)

【clap】


・top
・novel
・home