葉佩君と皆守君。その1



「62」

その声にのろのろと意識が浮上する。
頭の上。

「身長は?」
「えーと、18…1になったかなー?」
「へー」
「ちなみに上から89、71、88」

何を言ってるんだと思って身体を起こせば、ちょうど、目の前で黒い制服が振り返った。

黙って立ってさえいれば優等生面の、しかし中身は何もかも胡散臭い自称《宝探し屋》の顔を見上げ、性格に反してかっちりと着込まれている制服を辿り足元に視線を落とし、何か釈然としない思いを抱えたまま視線を戻すと目が合った。

「あ。おはよー」

能天気な声の持ち主はへらりと笑み崩れひらひらと手を振る。

「ひょろい」
「は?」
「俺と1キロしか違わねーのかよ」
「え?」
「え、そーなんだ」

ええなにそれどういうこと?

と、わざわざしゃがみ込んで、机に座っている俺と目線を合わせていた男が、八千穂に首を傾げて問う。
普通の男がやったらただきもいだけの所作もこの男だとあまり違和感がないのもなにか業腹だ。

「九龍君、皆守君と体重1キロしか違わないんだってー」
「え、甲太郎いくつ」
「…………61」
「わーなにそれ」
「なにそれって……俺は普通だ。お前がひょろいんだ」
「ひょろいって勝手に言葉つくんないでよ。てゆーかせめてスレンダーとか」
「棒」
「ぐ」
「紙」
「う、薄くない!ほら、脱いだら───」
「ばッ!脱ぐな寄るな俺まで剥くな!!」



2005.11.06
ゲームの設定確認したら182cmでした(吐血)……1cm縮めてごめんよ(でも訂正しない人)

【clap】


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