「ひどいよこーたろー……」
「……」
ひどいのはお前じゃないのか。
時間は午前0時過ぎ。皆守にとっては真夜中に等しいこの時間に、真っ暗な部屋で人のベッドの枕元に膝を抱えながらしくしくと泣く男という図は立派な怪奇現象だ。というか鍵のかかった部屋の中に侵入した時点で犯罪だ。
しかし残念なことにこの男は怨霊でも生霊でも犯罪者でもなく《宝探し屋》で不本意ながら皆守の恋人だ。
だから問答無用で蹴り出すところをこうして大人しく好きにさせている。
「せっかく昨日に間に合うようにスケジュール組んだのに休暇もガッツリ取ったのに秘宝もバッチリゲットレしたのにあのあの暇な団体がまた邪魔しやがっておかげで俺の誕生日は過ぎちゃうし甲太郎はすやすや夢の中だしカレーもないしはぴばーすでーおれーはっぴばーすでーきゅーちゃんはっぴばーすでーこーたろうにちゅうしたいはっぴばーすでちゅ───……ッ」
ゴツ
「……星が……星が見えたよこーちゃん……」
「うるさいバカ寝ろ」
額を抑え床に這いつくばる男に不機嫌を隠そうともせず告げると皆守は寝返りを打つ。
「お、おじゃまします……」
いそいそと。
空いたスペースにもぞもぞと入り込んできた暖かさを感じながら皆守は眠りに落ちた。
2007.06.27
一日遅れだけどハピバー。
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