お約束
花の香りがする。
甲太郎の残り香(なぜか花の香りがするのだ)にしてはキツいそれに、少しだけ眉をひそめ、部屋を見渡せば、いつもならソファに寝転がっている甲太郎が、部屋の隅で、どこか、そわそわと落ち着かない素振りで、こちらを見ていた。
(ああ、そうか……)
そう言えば、猫の時も何か仕出かした時は、こんな風だったな。と、思いつつ、
「甲太郎」
「!」
「ラベンダーの香りの芳香剤、どこで零───」
「!!」
「って、痛ッ。ちょ、甲太郎!?」
言葉の途中で投げつけられた座布団(猫の甲太郎がソファの次にお気に入りの)が顔面に当たって、ひとり、悶えている間に甲太郎はなぜか真っ赤になって部屋を飛び出していった。
怒るつもりはこれっぽっちもなかったんだが。
反抗期かなと思いつつ、花の香りを辿って部屋を出た。
2006.01.20
発情期だよ葉佩さん(撤収)
【clap】
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