さらにお約束
花の香りがする。
庭からじゃなくてすぐ傍から。
傍というか───。
「甲太郎?」
「なんだ?」
祖父の代からある黒い革張りのソファに寝そべっていた甲太郎が、少しだけ顔を上げる。
焦げ茶色の髪に灰茶の瞳。
どこからどう見ても男、しかも10代後半の男がつけるには甘い、
「お前、香水でもつけてるのか?───というか花の……ってうわッぶ」
言葉の途中で投げつけられた雑誌(ああ僕の『猫の○帳』!)が顔面に当たって、ひとり、悶えている間に甲太郎はなぜか真っ赤になって部屋を飛び出していった。
からかうつもりはこれっぽっちもなかったのだが。
恥ずかしかったのかな。と、思いつつ、かすかな花の香りを追って部屋を出た。
2006.01.24
それは《伴侶》にしかわからない匂いなのですよ葉佩さん(撤収!)
【clap】
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