愛・縁・奇・縁 -黄龍篇その3-


「……」

 昨晩。
 人を押し倒し剰え(本人の希望により削除)したいきものは、平和そうな顔で間抜けな寝息をたてて眠っている。
 質素なアパートの一室のこれまたシンプルなベッドの上で眠っているそれは、その存在の是非はともかく、とりあえずほとんどの人間が知っているいきものだ。
 とりあえず漢字一文字で足りる。
 
 竜。

(だよなぁ……)

 怠い身体を持て余しつつ、どうにか上体を起こし、隣りで、気持ち良さそうに眠っているいきものに視線を落とす。

 尻尾の先までいれればそれなりの大きさだが、小さい。
 けれど抱え上げた身体はそれなりに重くて、器用に首に巻き付いていた前足の爪も、どこか愛嬌のある口元に並ぶ牙もそれなりに鋭い。

 それが。
 昨夜。
 
(……どーしてこれがああなってあれがこうなるんだ?)

 のしかかってきた身体は自分より少しだけ大きくて重くて、真っ黒だったはずの目は金色になってけれど笑う雰囲気が同じででも違っていて、両手に抱えても首に届くのがやっとだった手が、きれいに整えられた爪が、牙のあった口が、舌が、声が───。

(つーか、)

 やり逃げ?



2006.01.17
そうじゃないだろう。と、ツッコミ入れつつ肝心のその2はまだ書いてません。

【2プリーズ】


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