九龍兄弟(爆)sss
「こーた、こーた!」
「……」
1歩後ろ。
首の辺りで感じる視線と声を無視して皆守は廊下を歩く。
「ちょ、てめー俺より少しだけでかいからって無視すんな!」
こーた!
と、また呼ばれる。
呼ばれるているとわかってはいるが素直に頷けない。
プライドというには些か子供っぽいがそれでも。
「……馴れ馴れしく呼ぶな《転校生》」
「そっちこそ他人みたいに言うな。せっかくこーして会えたっていうのに……」
なー兄ちゃん。
と、腕を掴まれ振りほどこうにも意外と強い力に、ついうっかり視線を落とせば。
「なー、こーた。暇ならつき合ってv」
「暇じゃない」
「嘘つけ寝るだけのくせに」
「……」
にんまりと笑う《転校生》こと葉佩九龍が腕を絡めすり寄るように体を押しつけてくる。
廊下のど真ん中で立ち止まる二人は邪魔以外の何ものでもないのだが。
「つきあってくれたらカレーパンおごるよ」
「……」
「プラスマミーズのカレー」
「……」
「3日分」
「───じゃない、」
「え?」
「こーた。なんてガキみたいな呼び方するな」
「あ、あれ?でもほらガキの頃のくせってさー……」
「いいからこい。歩け。邪魔だろう」
「あ、うん。で、」
「───俺が寝る前だったらつきあってやらないこともない」
九龍。
と数年前に別れた、半分だけ血の繋がった兄弟の声に、ロゼッタの若き《宝探し屋》は嬉しそうに笑う。
「よし!言ったからには忘れんなよ!こーた!」
「だからっ!お前のその頭は飾りか!?」
甲太郎。ときちんと発音できなかったあの頃とはもう何もかも違うのだがそれでも。
「ぎゃーごめんこーた!カレー奢るから許してこーた!じゃなかったらお兄様って呼───って本気で蹴る奴があるかー!」
皆守とその彼のまわりを小動物のようにまとわりついて蹴り飛ばされる《転校生》の姿が日常になるのもそう遠くはないらしい。
2006.04.21
その前に雛先生に『廊下で騒がない』って叱られる(笑)
【clap】
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