ガキの頃からおかしなものが視えていた。
 でもそれは俺にとっては当たり前のことだったから。
 それが他の人間の目には《視えないもの》だったなんで気づいた時には。

 俺がその《おかしなもの》になっていた。


Time to know-Be waltz


「副会長って眼鏡似合わないよね」
「余計なお世話だ」

「……なあ、あんたが大事にしてるあれ、俺にちょーだい」


「副会長は寝るの好きだよね。好きっていうか病気?寝過ぎだと思うよさすがに」
「……それがお前が俺の部屋に俺に断りも無く入って俺のカレーを黙って持っていくことと何の関係がある?」
「ごめんなさい。謝るから足退けて下さい」
「謝らなくていいから返せ」
「ごめんなさい」
「返せ」
「ご、」
「か え せ」


「俺もずっと待ってたんだよねっていうか、そういう《契約》だったんだよ?本人、きれいさっぱり忘れてるみたいだけど」


「その眼鏡とったら何が視えるの?」
「とりあえずどこぞの馬鹿の阿呆面だな」
「他には?」
「───なにも」


何も視えない。
きれいすぎる。

ただの《人間》にしては。


「寝過ぎだって言わなかったっけ?」
「お前こそ、なんでいるんだ?」



2006.01.24
めざせ似非ファンタジー。

【clap】


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