いぬろー君の優雅な一日?
葉佩九龍(17歳)訳あって仔犬の朝の仕事。
『皆守甲太郎を起こす事』
「(こーちゃんこーちゃんこーちゃん……)」
腕の中からはい出し今だ眠り続ける皆守甲太郎(学校には起きた時間に行くのではなく、間に合うように起きるということを知らないカレーとアロマの匂いしかわからない18歳)の顔をぺろぺろと舐める。
鳴くと(犬がいるとバレるからというが)問答無用で蹴り落とし、肉球パンチをかましても返り討ちにあうので、最近は舐める。
人の姿の時に舐めたらおそらくたぶん間違いなく《宝探し屋》の死亡を確認される自体に陥るであろうが、仔犬の時は、いまのところ、ない。
「(おーきーろー……あーさーだーぞー……)」
時々、鼻の頭をぱしぱしと叩いてみるが、起きない。
どころか、くすぐったそうに身を捩り、小さく唸ると手をのばして───。
「〜〜〜!!(酸欠!酸欠!!暖かいけど!)」
黒い毛玉を布団の中に取り込んで満足したのか、腹の当たりで抱きしめられて九龍がもがく。
力の抜けきった腕をどうにかくぐって布団から顔を出す。
目の前にはあいかわらず、眠ったままの皆守の顔。
起きている時には見られない、おだやかな、貌。
(ねむー……)
くぅんと小さく鳴くと、無意識であろうが皆守の手が背中をぽんぽんと叩いてきて───。
ズバン。
と、3-Cの教室の扉が派手な音を立てて開いた。
「───よお、九ちゃん」
「よお。じゃあないよ!なんで起こしてくれなかったの!?」
「お前があんまり間抜けな……いや、しあわせそうな寝顔だったんでな」
「そういう気の使い方は間違ってるよ!っていうか俺が起こした時は起きなかったくせに!!」
「───あんな時間に起きる方が間違ってる」
「何を堂々と言ってくれちゃってるのかなこの人は……」
「それより、腹減らないか?」
「はいはいマミーズ?屋上?」
「マミーズ」
「……」
───というかこのナチュラルにバカップルどうにかしろよ。と2人以外の人間が思ったとか思わなかったとか。
2006.08.24
仔犬の時は中の人の事をうっかり忘れそうになる( ̄▽ ̄;)
【190cm17歳】
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