アロマちみっこネタsss
「はいこれ」
「……」
と、満面の笑みとともに眼前に差し出されたものを見て阿門は軽く固まった。
《宝探し屋》と《生徒会》は相容れないのではないかと思うことすらもはやどうでもよくなるような《宝探し屋》───葉佩九龍の笑みと、彼の両手に支えられるように宙に浮いている子供───淡い色のくせ毛にどこか眠たげな瞳。記憶にある銀色のパイプを銜え冷めた笑みを佩く唇がいまは小さく、薄い紫のパーカーには見たことのある炎のロゴがあしらわれ、裾の折られたジーンズから覗くスニーカーにも同じマークがある。
ああつまりこれは。
遺伝子を操作できることに疑問は抱かないか、つい先日までごくごく普通に外見だけは高校生だった男がいきなり子供になりました。という事実をにわかには受け入れられなかったらしく。
見事に───傍目にはわかり辛いが途方に暮れている阿門を知ってか知らずか───あるいはどうでもいいのか。
「じゃそういうことでよろしく」
ひょいと差し出された───己の半分にも満たない男児をつい両手で受け取ってしまい。
「俺が帰ってくるまでこのお兄ちゃんがお前の面倒みてくれるから」
その小さな手が首にまわり抱きつかれたところで、
「おとなしくしてるんだぞ。───甲太郎」
こくん。と小さく頷いた、腕の中にすっぽりと収まるような子供が、あの、皆守甲太郎である。という、できれば信じたくない事実と、今にも眠りそうな目がそれでもどこか寂しげに───片手を上げ生徒会室を出て行く葉佩の背にむけられていることに気づいて。
小さな手が己の服をぎゅっと掴むのを感じて。
「……いかなくていいのか」
「…………るすばんくらい、できる」
「……」
幼い声のその茫洋さと思いの外しっかりとした音の響きと───それでもやはりどこか、せいいっぱい強がっているように聞こえる声に。
「───牛乳は飲めるか?」
「のめる。でもカレーがいい」
己を見上げる瞳がようやくやわらいで───つられるようにかすかに微笑んだことにも気づかず、阿門はその柔らかい髪をはじめて撫でた。
2006.03.27
……趣味です_| ̄|○
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