黄昏は遠く彼方に 4
「おめでとうございます」
「───は?」
「ですから。ようやく身を固める事にしたんでしょう?」
誰と誰が。
と、言いかけその視線が自分の左手に注がれている事に気づき、
「違うっ!」
めずらしく大声で否定した皆守に「そうですか」と気のない返事をした元同級生は表情の読めない微笑みを浮かべたまま小首を傾げる。
「それで、旦那様は?」
「だから違うって言ってるだろうが!」
「そうなんですか?」
「そうだ。これは《呪いの指輪》だ!」
「……そうですか」
左手の薬指に鈍く輝く銀色を掲げて全力で否定する皆守だが、それが婚約指輪でも結婚指輪でも《呪いの指輪》よりは現実味を帯びていると神鳳は思うのだが口には出さない。
「それにしてもめずらしいですね。君がそのような呪具をやすやすと身につけるとは……」
「俺が望んでつけてると思うのか?」
「迂闊だとは思いますが……それが恋だと思いますよ」
「───おいまてなんだ“恋”ってのは」
「これは単なる推測ですが……おそらくどこぞの遺跡で見つけた《秘宝》───それが指輪であった為に彼はそれを、何も考えずに君の指に填めたんでしょう?」
「……」
「ところがそれは何かしらの《呪》が絡んでいて何をどうやっても抜けなかった……そんなところじゃないですか。まあ、以前の君を思えば、たとえ不意をつかれたとしても、指輪を填められる前に何らかの行動を起こしていたと思うんですがね」
「……」
だから恋だと言うんですよ。
2006.06.17
とりあえず終わっていいかと思ったので終わる(え)というか『3』はupしておりませんのでご安心を(何)
【3は?(微笑)】
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