「……」
 
 目が覚めてというか何か気配を感じて目を開ければ目の前にさめざめと泣く男の姿が飛び込んできた。
 というのは現実として、ホラーか泥棒か寝ぼけているかの3択だ。
 しかしそう長くもない皆守の人生では第4の選択肢がでてくる。

「…………なにやってんだてめぇ」
「ううだってこーちゃんが……」

 電話に出てくれないから。

「……」

 大きな体を丸め明かりをつけることもなく(時間を確かめたわけではないが外はまだ暗い)人のベッドのすぐ側でじとじとすすり泣く男。
 やはりホラーじゃないのか?とは思っても口に出すことはない。

 知り合って数年。
 結局あの頃から見た目以外は何も変わらない男は、やはりあの頃と同じように皆守の部屋の鍵を無断で開け侵入しこうして側にいる。

 何が楽しいのかさっぱりわからないが「だってこーちゃんと俺ともだちでしょー」と能天気な声で言われれば、違うともそうだもとも言い切れない自分がいて。わざわざ否定する程ではないが『その友達の家に無断で入り込みその部屋の主が大切にしているものをパチっていく人間を友達というのか?』と時々、問い質したい気分になるのもまた事実で。
 しかしそれも結局は今さらだ。
 だから。

「……うざいからもう泣くな。腹減ってんなら鍋に入ってるカレーを食ってもいい」

 あの頃から変わらず、気だるげに起き上がり蹴り一つで黙らせた。



2007.12.24
プライスレス友情編その1ペケマスネタだと言い張る篇。でした。

【友?】


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