古代の叡智で180cm?


「見ろ甲太郎この勇姿ぐほぉゥ
「……誰だお前?」
「そ、そういうことは鳩尾に蹴りを入れる前に言うんじゃないのか……」
「……どこの誰だか知らないが、人の部屋の鍵を外から勝手に開けて入ってきた挙げ句、飛びかかってくるのは、視界の下の方でちょこまかちょこまかと不穏な動きをする146cmの変態だけで俺よりでかい、しかも野郎は絶対いない」
「だから、それ俺」
「───あ?」
「俺俺」
「……その手の詐欺はもう古いぞ」
「詐欺じゃないって俺だって甲太郎!146cmの可愛らしい葉佩九龍!」
「寝言は寝て言え居直り強盗」
「く、だったら甲太郎の(不穏当な発言の為強制削除)がある!」
「……」
「……」
「…………何やってんだお前」
「ああ信じてくれた!そーそーだから聞いてよ古代の叡智!今朝そこのバザーで見つけたんだよ!じゃーん!!」
「……ああ、あの出所が怪しい通り越して真っ黒な骨董市か───お前、俺に一服盛っていったところがそれか」
「ななな何言ってんのかなー甲太郎ちゃんってば……ここ数日休む間もなかったからこう、ね」
「その最後に日に休ませてくれなかったのはお前だろうが」
「うんまあそれについては誠心誠意、これからもつとめを果たす所存ではありますが」
「いらんそんな誠意」
「いやだからそれはまたじっくりゆっくりしっかりね!だからほら見てコレ!」
「……指輪?」
「そー色々見て歩いてたんだけど、気がついたらポケットに入っててさー……」
「またくすねてきたのかお前」
「それで試しに嵌めてみたらぐわっときてね」
「なんでそんな怪しいものを身につけるんだ。というかぐわっとってなんだつーか絶対呪われてるだろうそれ」
「で、このとーり、魅惑の180cm以上!これで甲太郎にねちっこいとかしつこいだけとか言わせないからな!」
「───って、なんの話だ、って、お前!!」
「ふっふっふ───照れなくてもいいんだぞ甲太郎」
「!!」

 暗転。


















高周波のマイクロ波を確認。
戦闘態勢に移行して下さい。











しばらくお待ち下さい。
















「……で、何がどうしたって?」
「く、なんで180cmもあって負けるんだ……て、あれ?」
「おい、九龍?」
「あ、なんか、いた、あ、ああああっ!」
「九龍!?」
「……」
「……おい」
「……は、」
「───は?」
「…………………………は、腹、減った……」
「……」

 ガチャ。
 ボテ。 
 ゴロ。
 ガチャリ。

「ちょ、こーたろーさん……」
「五月蝿い」
「ねー、ちょ、廊下寒いんですけどっていうかあれ、俺、元に戻ってる!?」



2006.10.15
……というか、まあ、そんな感じで(笑)
ちなみにこの指輪『嵌めると40cm背が伸びる(成長する?)』ことと『ある程度の時間が過ぎると元に戻る(その時異様に腹が減る)』以外は何も分からない謎の指輪です。むしろきっと呪いのアイテムです(元に戻った時、エネルギー補給しないとたぶん餓死するんじゃないかと)

【実は縮む指輪もある】


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