黄龍父親になる!?序章プレ版
「あ、俺。───中国行かねぇから」
といけしゃあしゃあと宣った男の顔を京一は至極あっさりと脳内に描いてみる。
目にかかるほどの前髪がうざいといえばうざいがそれでも顔だけはいい男だ。
顔だけは。
「───は?」
行かねぇから。ってなんだよ。そもそも残れって言ったのにまったく聞き耳持たず、勝手についてくるむしろ俺が先に往く。と宣言したのはどこの誰だ。と言いかけて、やめる。
顔と声と性格はいいが(三番目のは皮肉だ勿論)、頭はどうだっただろう、と決して長いとは言えないが短いとも言いがたい付き合いの中で色々と思い当たることもあり。
「ひーちゃん」
「土産はパンダがいい」
無理だ。と神速のツッコミも声に出さなければ意味はないのだが。
「今から行く」
「……そうか。まあちょっとは寂しくなるけど達者でな。いくら本場だからってラーメンの拾い食いなんか───」
「今からお前ん家に行くって言ってんだよ!首洗って待ってろよ!!」
ガチャン。と受話器を叩き付けて京一は家を飛び出す。
そして。
「俺、父親になるから」
と、いつになく真剣な(とは言ってもほとんど前髪で見えないのだが)顔で拳を握った男の後ろで───見たことのない子供がすやすやと眠っているのを見て、とうとう自分の相棒が犯罪にはしったかと思い奥義を繰り出しかけたのはまた別の話。
2006.05.18
こんな感じで緋京+アロマ
【clap】
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