屋上のバカップル


「で、何人目?」
「知るか」
「今月に入って4人目だよ」
「数えてんのかよ!」
「あらあらもてもてねー」
「どっから出てきやがったアン子!」
「あんたが1年の柔道部員に告白されてるあたりからよ」
「!!!」
「さすが、自称、真神イチのいい男」
「ひーちゃん!!」
「はいはい」

 と、緋勇龍麻は背中にべったりとはり付く相棒───蓬莱寺京一の頭をぽんぽんと撫でる。
 下駄箱に果たし状、昼休みに校舎裏に呼び出し───これは久しぶりに普通に暴れられるか。と思った相棒が、その相手(勿論同性)に告白され思わず奥義を繰り出しかけたのを宥めすかして屋上に連れてきてから、京一は龍麻の背中にくっついたままだ。
 
「……というか今の状況を疑問に思わないわけ?」
「何がだよ」
「ほら京一、焼きそばパン食うか?」
「食う」
「……」

 あーんと大口をあけて肩越しに差し出された焼きそばパンを食べる京一と、その京一に抱きつかれたまま平然としている龍麻の姿を交互に見てから、ほぼ空気に徹していたいつもの面子はそっと溜息をつく。
 
「つーか、やろーからこ、こ、」
「言いたくないなら言わなくていいから」
「だから好きだって言われて誰が嬉しいんだっていうんだよ!」
「はいはい」
「聞いてんのかひーちゃん!」
「なら、京一。いい方法があるよ」
「へ?」

 がぶりとメロンパンに食いついた京一の身体をそっと離し、向かい合うように龍麻が体勢を変える。
 そして。

「虫除け」
「───ッ!」
 
 白いシャツの間から覗く首筋に歯を立てた。

「ひひひひーちゃん!?」
「それ、虫除けだから───ちゃんと見えるようにしとくんだよ」
「お、おう……」
「消えそうになったらまた付けるから」
「あ、うん、ありがとなひーちゃん」
「……」

 ありがとうじゃないそれは虫除けというよりむしろ虫そのものだとか色々言いたいことはあったが、馬に蹴られてなんとやら、というか龍の奥義を喰らいたくはないので、そっと、二人の生暖かい友情を見守ることにした。



2007.01.31
デフォの主京の基本。とりあえずこんな感じです。そのうち書き直すと思いますがコンテンツ独立記念でとりあえずup

【これでも友情】


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