もし。
という仮定に意味はない。
過ぎ去ってしまったことはもはやどうにもならない。
けれど。
もし。
あの時。
自分が。
(あー……)
トドメを刺していれば。
(まあ今さらだが、な)
無駄に傷つく人間はでなかったかもしれない。
などと思うことも傲慢なのだろうが。
それでも。
「京一」
「あん?」
不意に。
やわらかい───ここ数ヶ月で馴染んだ声に顔をあげ───。
「ついたよ」
「なっ、」
「なんで?ってそれはこっちの台詞───京一、怪我してるでしょ?」
「だっ、」
「注意力散漫すぎない?っていうかむしろ集中し過ぎ?まあ、そういうところがらしいっていえばらしいけど、」
僕。
と、目の前で親友が笑う。
いっそ穏やかと言っても差し支えない笑みのまま、己の頬を指差し、
「あの時のこと、忘れたわけじゃないから」
「ばっ───」
あの時。と言われて思い出すのはあれだ。ついうっかり入ってしまったというかつーかありゃ不可抗力だろうつーかだからといってどうしてよりにもよって───ッ!
と静かにパニくっている京一をひょいと担ぎ上げ龍麻は桜ヶ丘中央病院の入り口をくぐった。
2007.03.19
あにまじん小ネタss
9話観てないのですが8話ネタ(爆)
【お大事に】
・top
・novel
・home