きいてない
「細いな」
「───ッ」
葉佩が皆守の腰を両手で掴んでそう言った。
昼休み。
教室。
いつものように惰眠を貪っていた皆守が立ち上がって教室を出て行こうとした瞬間だった。
「……ああでも骨と皮だけってわけじゃあないんだな」
「……」
「寝てカレー食ってアロマ吹かして寝てカレー食ってのわりに筋肉ついてるのなお前」
「……」
「けどまあ抱き心地はいまいちだからもう少し肉付けろ」
後ろから。
学ランを開けシャツ越しに身体の線を無遠慮に撫でながら、皆守の肩に顎を乗せ葉佩が言う。
が。
「……皆守?」
寝てるのか?
と、何の反応も示さない皆守の顎を取って仰け反らせる。
身長差のせいで今度は皆守の頭が葉佩の肩に触れ。
「立ったまま寝るとは器用な奴だな」
「あ……」
「あ?」
見開かれたままの目の端にほんのりと色がのる。
その皆守の、ふわりと揺れた前髪に鼻を押しつければ花の香りがして。
「アホかッ!!!!」
我に返った皆守が渾身の蹴りを放ったがその顔は赤いままだった。
2007.07.11
猛獣というかまあケモノです。
【けだもの注意】
・top
・novel
・home