こたつと鍋と酔っぱらい:02


「じゃあ、今度は俺と甲太郎だったら?」

 って俺はまた何を口走ってるんだ?
 さすがに少しだけ驚いたように目を見張って、それから、龍麻さんはふっと笑って指を指す、

「は?俺??」

 なんで?だって俺と甲太郎だったら絶対甲太郎を選ぶと思ってたんだけど。
 それくらい。この人は年下の、実は何か無駄にややこしい関係の従兄弟を大事にしている。
 それが顔に出たんだろう。俺のコップに酒を注ぎながら、しょうがない。って顔で龍麻さんが笑う。

「───お前を最初に助けないと甲太郎が拗ねる」
「……」
「それから、」

 そこで言葉を切って、眠っている甲太郎を見た。
 つられて俺も甲太郎を見る。
 誰かがいるところで熟睡なんかできなかった男が、酒のせいとはいえ、よく眠っている。
 それがなんだか嬉しくて知らずに頬が緩む。
 そんな俺を見て、龍麻さんも静かに微笑む。

「二人一緒に甲太郎を助ければいい」
「……」
  
 当然だろう。っていう顔で断言する人に俺は二の句が継げない。
 というかここはあれか。
 三つ指ついて居住まいを正して「お父さん、息子さんを俺に下さい」って言うべきなのか。
 いやこの場合はお父さんというよりはお兄さんか。


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