こたつと鍋と酔っぱらい:end
「程々にな」
「!」
にやりと笑って自室に引っ込んだ京一さんの足取りは酔っぱらいにしてはしっかりしていて。
程々って何を程々ですか俺には何がなんだかさっぱりわかりませんよ。
わかりませんともええ。というか俺だってそこまで節操なしでは(以下略)
「───九ちゃん」
「え?なんだ、甲太郎」
「九ちゃん」
「……」
「九ちゃん」
「ん」
とりあえず残された俺と甲太郎はというか甲太郎が。甲太郎に。
鳥かお化けかって感じで連呼されて、こう、まだ、天板に頭を乗せたままの、甲太郎の寝癖のついた髪をそっと撫でてみる。
「くろう」
カレーは俺がまたつくるから。だから。
(……ああ)
駄目だ。もう駄目だ。っていうかまあそんなの最初からわかりきってたんだけど。
「甲太郎」
やわらかい髪から耳朶を這って首筋を辿り顎の線をなぞる指にあわせるように甲太郎がゆっくりと起こした上体を傾ける。
酔いか眠気か、いつにもまして茫洋とした瞳が僅かに輪郭を滲ませて。
「……酒臭い」
「お互い様」
触れてしまえばすぐ同じになる熱に、俺達はまた酔った。
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2006.03.12(再録)
アロマが翌日何も覚えていないに3000点。
そんな感じのPC版610『web拍手』お礼文その1でございました。
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